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代表世話人挨拶

「このフォーラムの目指すところ」
(18.7.29 第2回研究集会講演より抜粋)

代表世話人 松澤 佑次

この会は、メタボリックシンドロームには高尿酸血症という1つの入り口があるということで、世界に先駆けてその意義付けをみんなでやっていこう、それと同時にメタボリックシンドロームの理解を深めようということで始まりました。

今年(平成18年)の5月に厚生労働省が、日本人の40歳から74歳の男性2人に1人、女性は5人に1人がメタボリックシンドロームの疑いがあるというセンセーショナルな発表をされたこともあり、社会的にも大変大きな反響を呼びました。
中には、メタボリックシンドロームの診断基準はあいまいだという論議がありました。
しかし今やそのメカニズムもはっきりし、生活習慣の偏り、運動不足、飽食の中で起こってきた内臓脂肪の蓄積から、いろんなものが起こって動脈硬化になりやすいという疾患概念で、内臓脂肪を減らすことによって多くの生活習慣病を一網打尽に改善することのできる人がメタボリックシンドロームであるというコンセンサスが世界でも定着しつつあります。

また、メタボリックシンドロームの概念は、むしろ病人を増やして製薬会社を喜ばす、健診を促進して逆に医療費を高騰させる、と言った論議もありました。
私たちは、内臓脂肪を減らし、肥満を減らすことによって効率的に予防することにこそ大きな意味があると考えており、病人を減らしてむしろ製薬会社を悲しませるのではないかと思っているわけでありまして、同時に健診をしっかりとやって心筋梗塞や脳梗塞、そして、糖尿病、高脂血症、高血圧が減ることによって健診の予算をはるかに上回る費用対効果を期待しているわけです。

日本での診断基準の一番大きなポイントは、内臓脂肪100cmを基準としたことです。それに相当するウェストを男性は85cm、女性は90cmを診断の基準にしましたが、もっと精度の高い基準値が必要だと言う方もおられます。
しかし、精度の高いウェストの基準値なんて恐らきません。むしろ高血糖、脂質異常、高血圧が重なっている人の中で、内臓脂肪が原因である人を選び出す基準と考えればわかりやすいと思います。一般の人もメジャーがあればある程度確認できる身近な指標としていただければよいので、いくらきめ細かく分析しても、はっきりと異常と正常が分かれるものではありません。大事なことは、内臓脂肪というのは運動をきちっとやれば減りますので、こうしたことが予防医学の一番大きなポイントであるとえているわけであります。

いろいろな論議がありましたが、厚生労働省では国の政策として、健診や保健指導という中にこのメタボリックシンドロームを最重点化してやっていこうとなりました。そしてその中に、このフォーラムで一番大きなテーマとなっている尿酸を入り口の ひとつとして取り入れる。
尿酸は動脈硬化を直接引き起こすファクターではないにしても、健診で高尿酸血症ということで引っかかった人は内臓脂肪が多く、よく分析すれば血圧も高い、脂質代謝異常もあるという人が非常に多いのでありまして、高尿酸血症からメタボリックシンドロームの予備軍を発見していくことの意義、そして、生活習慣病による代謝病態、すなわち糖代謝、脂質代謝、さらに血管の代謝、血圧、こういったものと尿酸というものの関係をぜひこのフォーラムで検証していただきたいと思っているわけであります。